船長

・・・事故が相次ぐ福島第1原発の10キロ圏内にあり、避難指示が出た同町の○○病院で、患者を避難させるため自衛隊が到着した際、病院内は高齢の入院患者128人だけで、医師や病院職員らがいなかったことが17日、分かった。同病院の患者のうち14人は、避難途中や避難先の高校で死亡した。隊員が15日、○○病院に向かったところ、300人を超える患者のうち、寝たきりの高齢者ら128人が病院にいたが、病院関係者はいなかったという。県の担当者は「病院職員がいないことはあり得ない。放棄ととられても仕方がない」と批判。(搬出が3回に分けて行われたらしくて、最初だけは院長は立ち会ったらしい。そのうち誰もいなくなったと福島県が訂正している。五十歩百歩だと思うが)・・・  なんとも分かりやすい話だ。難破した船から船長や船員が先に逃げ出すのと同じだ。海の上で何も出来ない素人が取り残されるのと同じだ。いやもっと質が悪い。寝たきりの人達を放置したのだから。何の選択肢もない人達に置き去りという唯一の選択を強要したのだ。おまけに、避難所で診察しようとした医師は患者の名前も病名も分からずに、手の施しようがなかったと言っている。運ばれてきてから亡くなった方の死因がほとんど病気ではなく、脱水や低栄養だったと言うから殺人に近いのではないか。法律的に何か抜け道は作るだろうが、やったことは殺人だ。それも確信犯だ。放置すれば死ぬことくらい分かっている。県の職員が放棄という言葉を使っているが、僕は遺棄に近いのではと感じている。  所詮、社会的に名をなしていようがこの程度なのだ。恐らくその行為の前までは地域では著名な人間で、肩書きだけで高く評価されていた人間だろう。化けの皮は完全にはげてしまった。どうせ経済的には恵まれているだろうから法律的な許しは買えるだろうが、家族は許すことは出来ないだろう。多くの庶民が力が及ばなかったことで苦しみを背負っているのに、心が身軽な人はなんとも羨ましい。  それと真逆の逸話を昨日鍼の先生がメールで送ってくれた。青色の文字でメールアドレスが添えられていてそれをクリックすればその動画が見れるようになっている。僕もウイアー・ザワールドと共に流れる映像に心を打たれたので彼に真似てこの文章に貼り付けてみる。何故か青くならないのだけれど、そのアドレスで見られるからなんとかたどり着いて見て欲しい。他のバージョンも沢山ユーチューブに投稿されていたから、すでに沢山の人が見たとは思うが。多くの犠牲の前には小さすぎる感動かもしれないが、救いの手を差し伸べにくい環境にある人間にとっては救いだ。 http://www.youtube.com/watch?v=IxUsgXCaVtc&feature=youtube_gdata_player