嗅覚

東京電力福島第一原子力発電所の事故を巡り、米政府が原子炉冷却に関する技術的な支援を申し入れたのに対し、日本政府が断っていたことを民主党幹部が17日明らかにした。この幹部によると、米政府の支援の打診は、11日に東日本巨大地震が発生し、福島第一原発の被害が判明した直後に行われた。米側の支援申し入れは、原子炉の廃炉を前提にしたものだったため、日本政府や東京電力は冷却機能の回復は可能で、「米側の提案は時期尚早」などとして、提案を受け入れなかったとみられる。政府・与党内では、この段階で菅首相が米側の提案採用に踏み切っていれば、原発で爆発が発生し、高濃度の放射性物質が周辺に漏れるといった、現在の深刻な事態を回避できたとの指摘も出ている。」  貝割れ大根を食ってみせるくらいのパフォーマンスしか出来ない男にこれからを任せなければならないのも不運だ。上り詰めることしか頭になく、そこから先は何も目的がなかった男に、任せなければならないのは不運だ。ありとあらゆるパフォーマンスに終始するのはもう見えている。唯一の目的は保身だけなのだから。  千葉に住んでいる姉がひょっとしたら孫を疎開させてくれと電話してきた。その時に、ああ、こんな手伝いの方法もあるのだと気がついた。するとプロはさすがにたいしたもので、色々な自治体が被災者を集団で受け入れることを表明している。田舎なんて空き家がいっぱいあるのだから、疎開を受け入れる余地などいくらでもある。疎開などと言わないで移住してもらいたいくらいではないか。まして同じように魚を獲り、野菜を育て、都市部に働きにいくという生活基盤の共通部分が多いから、田舎にこそ誘うべきだ。人の純朴さでも似たり寄ったりだろう。  肩書きで風を切っている輩の挙動不審に比べて、何も持っていない人達の献身ぶりに感動することが多いが、安全な所に身を置いている知識人の雄弁がやたら耳につく。安心を強調されればされるほど疑いたくなるのは、何年にも渡って築いたこの国の負の遺産だ。疑うことで身を守ってきた人達の嗅覚の方を僕は信じる。