参加

 少しだけ肩の荷が下りた。先週の日曜日は薬剤師会だったのであわただしく移動しなければならなかったが、今日は教会にゆっくりいることが出来た。東北地震に対する義援金箱に少しだけ初めて入れることが出来た。有り難いことにカトリック教会は少しずつお金を集める習慣が日常的にあるから、気負いもないし、お金の使われ方に対しても信頼性がある。だから出来れば教会経由でと思っていたので、やっと世の中の流れに追いつけた感じだ。ただ、やたらマスコミで有名人の余りにも高額な寄付が伝えられるので、一般市民は肩身が狭い。たかが野球が少し上手いだけで、たかが歌が少し上手いだけで、たかが口から先に生まれたようなだけでどうしてこれだけの経済的な差があるのかと思うが、そうしたものに価値をおく、いやおかされている庶民の方に問題があるのかもしれない。僕なんかそんなものに価値をおかないから、少なくとも僕のお金がその種の人達に行ってはいないのだが、一所懸命貢いでいる人達が多いのだろうなと思う。才能のない人間のひがみかもしれないが、クールに生きればそんなものどうでもいいように思えてしまう。  昼ご飯にあるレストランでランチセットを食べたら、サンマにみそ汁に肉じゃがに小さな冷ややっこがついていた。締めて680円。この年齢になると上記のような和食が楽なのだが、このサンマは三陸でとれたものだろうかと食べながら考えた。東京からやってくる薬のセールス達が異口同音に、西に来るとまるで嘗てと変わらない穏やかな生活ぶりで、不思議な感覚に陥ると言っていた。関東では揺れや放射能に対する恐怖やストレス、買い占めによる品不足、電車の間引き運転、計画停電などでそれなりに緊張感があるのだろう。サンマを食べながら一瞬産地のことを考えたが、それは不謹慎にもすぐに舌鼓でうち消されていた。  恥ずかしくなるような金額だが、まだ何もしていないと言う居心地の悪さから少しだけ解放された。善意のプロフェッショナルとでも言うべき人を沢山報道で目撃するが、善意の素人は後方でのささやかな参加で許して欲しい。