この場を借りて

 色々試みてみたが、結局出来なかった。だからこの場を借りて返事をする。  昨夜、ブログのトラックバックと言うところに、質問があった。その欄は、意味不明の内容ばかりが入ってくるので、反射的に消去しているのだが、偶然真面目な文章だと言うことに気が付いて、消去せずにすんだ。もし消していたら、返事も書かない人間に思われてしまうところだった。実は僕は「返事魔」なのだ。出来るだけ返事は完璧を期し、出来るだけ最後は僕の返事で終わりたいと常日頃思っている。ところが中には僕と性格がよく似ている人がいて、どちらかが諦めなければ終わらない関係の人もいる。最近は少しその辺りに融通が利くようになったので、僕が読んで終わりにする関係も幾分か増えてきた。 前置きが長くなってしまったが、トラックバックの質問には同じような形式で返せるのではないかと試行錯誤したが結局出来なかった。だから、僕のブログを読んでくれている人という前提でこのブログのなかで返事をしようと思っている。是非目を通してもらえればと祈る気持ちでいる。薬が効かなくて裏切るのは実力の問題だけれど、返事を出さないなんて礼儀知らずもこの上ないから、それだけはしたくない。  さて、質問の「漢方薬はずっと飲まなくてはならないか」について。答えは簡単。そんなことはない。だいたい、この程度ならもう大丈夫と言うところで僕の薬局では全員止める。逆説的な言い方になるが、「薬は止めるために飲み始める」と僕はいつも答えることにしている。何かの不調を抱え、薬に頼らざるを得ないが、最終的にはその薬が不用になって、元気いっぱいになることが目標だ。ずっと飲むと言うことは完治していないと言うことだから、世話をしている方としては敗北なのだ。薬も止めて、好き勝手に人生を謳歌してくれれば初めて、良い手伝いが出来たということになる。ずっと飲むというのは、医療者側の財布を考えての勧め言葉だと思う。医療者側を豊にするために、胃袋を薬の最終廃棄物処理場にしてとは言えないだろう。まして漢方薬に限って言えば、どんどん生産が減って品薄が心配されているご時世に、治った人まで飲まないで欲しい。本当に困っている人に譲るべきだ。だからコマーシャルで痩せる何とか、痛みに何とかなどと煽って、効きもしない漢方薬を症状を詳しく聞きもしないで売りつけるなんて言語道断だ。漢方薬を一部の富裕層しか飲めなくなる時代を、今の資本家がつくっている。今儲かれば、将来の庶民が、治療の選択肢を狭められても何とも感じない人達が跋扈(ばっこ)している。石油、食料、森林、皆同じ事が言える。  運動療法、食事療法について教えてと言うことだったが、何のトラブルか分からないのでこれには答えられない。出来ればメールアドレスの方に質問を送ってもらえれば答えられると思う。もし過敏性腸症候群の質問なら、どちらも頑張らずに好き放題する方がいい。どちらも悪化要因にはなるかもしれないが、それで改善するほど簡単なトラブルではないから。  強いて言うなら、僕は笑いながら治すと言うことを提案している。笑えって言っても笑えないから、「不真面目に真面目に治す」と言った方がいいかもしれない。僕は不真面目な真面目人間だし、真面目な不真面目人間だ。直接訪ねてきてくれた人達は判断に苦しんだのではないか。子供達が心配してくれるが、こんな僕が何とか精神的にもっているのは、相反する性格を持ち合わせているから、あるいは実行しているからなのだ。生真面目に病気と闘っては負ける。  まだ見ぬ人、答えになったかな。きっとあなたはとても苦しんでいるのですね。だけど、本来治るトラブルで苦しまないでね。治らないトラブルで苦しんでいる人の為に是非克服して、あなたの優しさや能力を使ってね。