テイクファイブ

 3人の女性について。  一人は今朝、過敏性腸症候群が完治した。本当にありがとうと、メールをくれた。カルテを見ると15年の2月から、漢方薬を飲んでくれている。毎日欠かさず飲んだのではなく、途中からは2週間分を3か月で飲むとか次第に薬と縁が切れた人だ。理想的な卒業のパターンだ。僕としては時間がかかりすぎて申し訳ないと思うのだがそれは許してくれたのかもしれない。笑いながら、次は恋人だと書いてくれていた。彼女はわざわざ遠くから日帰りで来てくれた方だ。とても目に力があったのを記憶している。100点を取らなくても完治と言う結論に達してくれたのは、まさに100点だ。考えようさえ変わるのが漢方薬のと言うより植物の持っている力かもしれない。  二人目は、昨日の昼、突然電話をくれた。とても嬉しそうな声だった。受話器を持った時から良いことが起こったのはすぐ分かった。かねてより行きたかった海鮮料理のお店にやっと行けたそうだ。その勢いで、パチンコ屋、スーパーとはしごしたそうだ。最初相談してくれた時は、外に出るのはゴミを出す時だけといっていたのに、やっと、エンジンがかかってきた。次は美容院だそうだ。そしてその次は何かな?  三人目は、今日相談に来てくれた若い女性。僕が初めてこちらから、ブログを読んでみてと言った。彼女の不調を列挙してもらったら余りにも多くあったので、一人で悩まない為に敢えてブログを読むように誘った。少し涙を流した彼女を見て、彼女の不調、悩みは彼女特有のものではなく、孤立した現代人の多くが共有しているものだと言うことを、彼女に知ってもらいたかったのだ。日本人のほとんどが、光り輝くところで暮らせるわけではない。太陽の光が決してさしこまない境遇で生きている人もたくさんいる。実は彼女が今日チェックしてくれた項目のかなりの部分を僕自信も持っているのだ。いわば似たり寄ったりなのだ。違いは彼女には未来があるが、僕にはないと言う事だ。  ブログを読んでみたいと言っていたから早速読んでくれているかな。こんな近くにこんな人間がいたからビックリしたかな。今日薬局で聴かせた「テイクファイブ」早く体調を整えて僕に教えて。僕はめっぽう飽き性だから。薬がなくなる前でもいいよ。折角近いのだから、悲しい時つらい時は話だけでもおいで。