かなりの人が、多かれ少なかれ恐れと不安を抱えて暮らしている。毎日仕事に出かけ、毎日学校に出かけたとしても、その2つは心の隅にいつも存在している。現代では、家庭の中でさえ存在しているかもしれない。仕事をある日ふと失う恐れ。友人を失う不安。人それぞれに内容は異なるが、絶えることなく襲ってくる。この二つに取りつかれ一生を棒に振る人も多い。恐れも不安も耐えられなくなると、人は心の扉を固く閉ざし、余計に人との接触を絶とうとする。耳は聞こうとせずに、目は見ようとしない。  この悪循環を絶つのは、他者を思いやり、他者のために尽くすことだ。自分がよりよくなることを考える前に、他者がよくなることを考えたらいい。そうすると自分の心の扉が開いて、不安や恐怖が飛んでいく。与えられることを望むより、与えることを実践することだ。