不幸

 どうしてこんなに次から次へと苦しめられるのだろう。ただ人と同じように学校に行き、仕事をしているだけなのに。どうして、同じ人の上に災難が繰り返されるのだろう。一生懸命、迷惑をかけないように生きていただけなのに。時には音楽も聴いた、歌も歌った。時には小さい旅もしたし、些細な買い物もした。どこが悪かったのだろう。何が悪かったのだろう。着飾って颯爽と歩くこともしなかったし、道路に座りこみ通行人の迷惑にもならなかった。  これでもかこれでもかと病魔は襲ってくるけれどどうして耐えなければならないの。ブラウン管からは、持てる人達の快楽が垂れ流され、不幸はブラウン管のこちらで水かさを増す。助けを呼ぼうにも、友は離れ、声も出ない。涙で解決出来ない事を知っているから泣きたくもない。涙も出ない。叫んでみても手を差し伸べてくれる人はいない。理解なんかしてくれなくてもいい、慰めなんかも言ってほしくない。ただチョットだけ不幸を分けてあげたいだけだ。痛みが耐えられるようになるくらい皆で共有して欲しいだけなのだ。