心を患っている人は、見えない敵と戦っているようなものだ。勝機はなかなか来ない。何がこんなに多くの人を追い詰めているのか分からないが、心を病む人はとても多い。泣き叫び助けを求めることが出来れば深みにはまらなくてすむのだが、そうした人達はえてして孤軍奮闘する。頑張りやさんであり、潔癖な人が多いからストレスを口から吐き出さないし、力に物を言わせることもしない。琵琶湖に太平洋の海水を注いでいるようなものだ。いつか溢れだし湖の形は壊れてなくなる。 ある人は数字に追いかけられ、ある人は時間に追いかけられる。ある人は家庭で罵声を浴び、ある人は職場で嘲笑にあい、ある人は仲間の中ではじかれる。しかし、どれも人間が作ったものだ。自然は数字も時間も作らない。人間の都合が自然を不自然にし、人の心まで不自然にする。頭の中が不自然で満たされた時、人は心を病む。