2006-12-22 氷点下の涙 エッセイ 冬の花火は背中に上がり 凍りついた息が闇を刺す 氷点下の涙は 漂流する魂を 岸壁に繋ぎ 色彩を拒む夜の海を さ迷い続ける 一生懸命生きてきた 一生懸命生きてきた 蔑まれて嘔吐し 傷め付けられて喀血し 震える足でたちあがり またたちあがり 星を手に取り 消え行く拍動の証しとする 一生懸命生きてきた 一生懸命生きてきた 逃避行の波打ち際に 寸断された嗚咽が漏れる 背信の微笑みに 血塗られた懺悔 はいつくばって岩を噛み 打ちひしがれて潮を飲む 一生懸命生きてきた 一生懸命生きてきた