不平等

 現代医学で難病とされているものは、漢方薬でも難病だ。むしろ現代医学で難病なら、漢方薬だと「超」難病だ。漢方薬に対する期待の大きさを感じることはままあるが、この基準は普遍だ。
 ただ、そう言ったものに漢方薬が無能かと言えば必ずしもそうではなく、ある範疇、正に難病と言うくくりで薬を作ることはできる。
 この女性も東京の病院だろうがどこでも行って治してほしいと頑張っておられる。2週間毎電話で話をするが、はたして1%でも僕は痛みを共有出来ているだろうかと、毎回情けなくなる。僕はその範疇の処方を作ってお送りしているが、止めると何となく悪化するくらいの消極的な評価しか得られていない。
 精神的な関与も少しはあるのかと思うから、毎回楽しい話をするのだが、それもまたお役に立てれているかは定かではない。
 今日も20分くらい話をしたと思うが、病院での治療の経過や苦痛の訴えでほぼその時間は埋まる。今日も何回笑って貰えたか分からないが、一度だけ大笑いをしてくれたものがある。電話を切る時に言った言葉「ヤクでも少し混ぜておいてあげるわ」
 お役に立てれないもどかしさから出たほぼ自虐ネタだったが、これが一番受けて大きな笑い声を聞きながら電話を切ることが出来た。
 現代医学のように、病名に対応する薬が揃っていないのが漢方薬の欠点だし、逆に大きなくくりに対して薬が存在していることは長所だ。未熟な僕の対応の中、耐えがたい痛みの中でも笑える強さに感心しながら、世の不平等を恨む。

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