無難

 「本学の薬学部は、薬の専門家としての実践的能力、高い倫理観と豊かな人間性を備え、人々の健康保持・増進と福祉の向上に貢献し、薬物治療の進展に資する研究心をもった薬剤師を育成することを目的として、平成〇〇年に開設しました。しかしながら、〇〇県内ならびに近県薬学部との競争激化、18歳人口の減少や経済事情の著しい変化に伴い、徐々に入学定員を充足することが難しい状況となりました。」

 薬剤師の国家試験の大学別の合格率を見ていて、20%台の学校があることに気が付いた。普通なら不合格の割合みたいな数字だが、なんと合格した人の割合だ。ということは80%近くの人が1000万円以上の学費を捨てたことになる。現役の時より国師浪人で受けるほうがより難度が上がるから、恐らくこの人たちの多くが薬剤師の免許を将来にわたって得られないことになる。
 学費で1000万円越えだが、生活費の6年間トータルだとどれくらい必要なのだろう。昔みたいに下宿や安アパートという訳には行かないから、年に200万円くらいいるのだろうか。6年生だから1200万円。学費と合わせると2500万円。少し贅沢に暮らせば3000万円。
 悔しいだろうな。惜しいだろうな。結局6年間と言う時間も捨てたようなものだから、その額、いやその価値はいかほどなのだろう。教育なんかどうでもいいような資本家が、儲けのために作るのが学校だ。まさにその餌食。青春を返せ運動は起こらないのだろうか。
 病院やクリニックの前にコバンザメのように調剤薬局と言うものが乱立した異常な事態はもう終わった。薬剤師不足はもう解消したのではないか。薬剤師を探しているようなところをあまり耳にしない。当時なら、卒業して働けば短期間で投資した額を取り戻すことが出来ただろうが、今は特別感はない。むしろ外国に板さんで行く方が、遥かに高給取りだし、オーストラリアにベトナム人のように農業労働者として渡ったほうがはるかに高給だ。初期投資なしで無難だ。
 ここで一つの学校が閉じたみたいだ。これに続きそうな大学はあり、似たような被害者を作らないことだ。政治屋とつるんだところは特に用心を。あったなあ、獣医の学校で同じようなのが。

県立農業経営高等学校拓心太鼓部ライブパフォーマンス「まんのう公園あじさいまつり」 - YouTube