支配

 精神科医和田秀樹先生が面白いことに言及されている。今はやりの高齢者の逆走運転や暴走運転の原因が、低栄養だというのだ。いわゆる低血糖 低血圧 塩分控えすぎで起こる低ナトリウム血症の3つだが、どれも血液検査で指摘され、一所懸命下げることによっておこる意識障害が引き起こしているのではないかと言うのだ。
 いかにも痴呆が原因のように報道されるが、実はそうではなく、健康意識が高い老人が、栄養不足のまま運転して、運転中に低血糖でも起こしているのではないかと推論されている。いかにも家族の放置みたいな伝えられかただが、運悪く偶然運転中に低血糖を起こしたと考えた方がつじつまが合うみたいだ。
 和田先生は以下のように言われている。
「血液検査の結果を気にする人がいますが、血液検査が正常でも、ひどい動脈硬化が起こって心筋梗塞で倒れる人もいれば、検査の結果がかなりの異常値でも動脈硬化が軽い人もいます。年をとるほど低栄養の害が大きくなり、むしろ多めのほうが健康にも長寿にもつながるからです」
 僕が薬局の仕事をし始めた頃には、年を取ったら魚と野菜を中心にという定番が指導だった。せめて鶏肉まで。ところが時代が進み長寿者の特徴は「肉をよく食べる人、それも牛肉をよく食べる人」に変わった。たんぱく質をしっかりとるには牛肉は最適だろう。
 確かに人は検診の数値のために生きるのではない。自分の筋肉と骨を使って、できる限りの能力で日常を支配することだろう。そのためにはよく食べ、よく動き、よく寝る・・かな。いやいやもう一つ、よく喋るも必要かな。

2/6(火)19:45 〜 LIVE ○The News ● 日大問題、芦原さんと日テレ、松本人志を考える/受験、中高年をどう生きるか【和田秀樹、望月衣塑子、尾形聡彦】 - YouTube