今朝のワイドショーを見ていてほっとした人は多かったのではないか。どこかで見た顔だなと思っていたら、香港の民主化運動「雨傘運動」で中心的な役割を果たし、中国の実質的な支配下に置かれた香港警察に逮捕され、刑務所に入れられていたヒロインだった。
数年のタイムラグがあるから、風貌も変わっていたが、自由に喋れる環境にあってほっとした。カナダに亡命できたみたいだ。どのような経路でカナダに渡れたのか分からないが、何はともあれ、娑婆にいて、それも自由な国にいて本心を語れる環境を得たのは喜ばしい限りだ。どうして覚えた日本語か知らないが、きれいな日本語で訴える当時の姿は多くの日本人が心を打たれたに違いない。正義は共有出来ても何も手伝うことが出来ない歯がゆさを感じた人は多かったのではないか。
彼女の無事を知って喜んでいる僕を不愉快にさせたのは、「カナダから自由を勝ち取る運動を継続する」などと言う勇ましい言説を何とか引き出そうとするアナウンサーの質問だ。広告収入欲しさに、何でも劇場版的に大袈裟に下世話に作らないといけない彼らの、犯罪的な誘導が耳について不愉快極まった。
やっと自由を手にして大学院で勉強したいと言っているのに、何度も何度もそこに誘導された。当然彼女は今は勉強すると答えていたが、失った数年間を取り戻すことを誰も阻めない。ネタにさえなれば当事者にどんな不幸が襲いかかっても意に介しないのがメディアと言う企業だ。
政権の太鼓持ちになった奴らに、本来なら取材をする権利など無く、周庭さんに連絡を入れるのさえはばかるべきだ。格が圧倒的に違う。命の危険まで冒してきた人と、肩を並べる資格はない。
今日のような悪意に満ちた質問を死んだ汚部やスカにやっていたのなら少しは信じるが。
