体形

 話の内容に驚いた。僕が牛窓の子供たちにバレーボールを教えていたのは30年くらい前。サッカーを教えていたのは35年前。その間にそこまで変わっているとは。
 僕よりほんの少しだけ年上の男性だが、筋肉が結構発達していて、僕などと体形が違う。それでも僕がその方のある体調不良を治すために漢方薬を作るのだから、「訳が分からん」
 漢方薬を作った後、筋肉質の体型を褒めたら色々なことを話してくれた。そして、その体系を保っている理由が、子供の卓球のコーチをしている所以らしい。元々はママさんバレーのコーチをしていたが、さすがにバレーボールは出来なくなって、卓球に転向したらしい。スポーツが好きなのか、教えるのが好きなのか、あるいは両方か分からないが、コーチ歴何年になるのだろう。
 今日伝えたかったのはそこではない。彼が教えているのは地域のスポーツ少年団らしいが、一番力説したのは「足元に転がっているピンポン玉を、今の子供は拾わない」と「挨拶をしない」だ。
 後者はなんとなくわかるが、前者は、嘗てスポーツ少年団に関わった人間にも衝撃的だった。卓球をやっていて球を拾わない?いったいどういう意味だろう。理解が追い付かなかった僕を見て「卓球はそもそも球を拾うスポーツ。オリンピック選手でも自分で球を拾いに行く」と蘊蓄を傾ける。確かにそうだ、中継を見ていたらよくわかる。
 ピンポン玉が壊れるのはほとんど割れるのが普通らしいが、そこのスポーツ少年団の場合は踏まれて壊れるのだそうだ。足元にいくつ転がっていても拾わない、だから自ずと踏んでしまう。なんて景色だ。「頭にくる」と言いながら何もできない歯がゆさに耐えているみたいだ。だから全く関係ない地域に住む僕に心情を吐露したのだろう。下手に子供に注意すると、親のクレームが来るのは、公相手でしか強気に出られない現代人の屈折ぶりを良く表している。
 わずか30年でこんなに変わったのかと驚いたが、よく考えてみればわずか80年くらい前には、日本人はアジアの人を殺しまくっていたし、日本人も国家に殺しまくられていた。これからどこまでこの国の人間は落ちていくのか、あるいは持ち直すのか。千の風になって見てみようか。 

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