助っ人 - 栄町ヤマト薬局

　昼過ぎに岡山市からの帰りの車外温度が３７度だった。今日３時に墓掃除に来てくれるよう頼んだのを悔やんだ。その罪滅ぼしにとシャトレーゼでアイスクリームやプリンなどを買いこんだ。
　僕など急な坂を上がるだけで息切れがしそうなのに、５人のベトナム人は生い茂る草たちに負ける気配もなく、手際よく長く伸びすぎたササや雑草を刈ってゴミ袋に詰めてくれた。凍らした水を持って行っていたから、体調不良に陥ることもなく１時間半くらいできれいになったが、その自力にはいつも感動させられる。
　前回草枯らしを撒くのを忘れていたから、思いっきり草が成長していた。墓に行くまでの小道もジャングルのように、視界を奪うササに覆われ、一人では何となく通りたくない道だ。
　そんな状況をものともしない５人のお陰で、整理された墓に変身した。夏は蛇でも出てきたら気持ち悪いのでなるべく墓には行かないことにしているが、強烈な助っ人のお陰で、母や父を不快な目に合わせなくて済む。
　背中が汗でぬれている服そのままで、ドッグランのカフェでシャトレーゼを味わいながら談笑したが、「お父さんとお母さんでは大変だから、いつでも言ってください。みんなで来ます、楽しいから」と通訳がみんなを代表して言ってくれた。家族が手伝おうともしない、ベトナム人に礼をも言わない、どちらが家族なのか分からない。シャトレ－ゼの夏が墓山を覆う。