筋肉

 80数歳になって、首や腰の痛みから逃れられる道が唯一手術だけと提案されたら、どのくらいの方が受け入れるのだろう。この女性も迷っているように見えたが、結局は手術しかないと宣言されたら受け入れるらしい。
 年齢とともに筋肉が落ちるのは仕方がないが、その落ち方により、骨格系の病気の症状に大きな差が出る。筋肉が如何に人の生活に貢献しているかがよくわかる。筋肉が落ちたら、出来ないことが一気に増えるが、痛みも比例して増えるように感じる。それはそうだろう、痩せた筋肉が、嘗て豊富だったころのことを行おうとすればかなりの緊張を強いられる。軽く瞬発的にできていたことでも、無理に無理を重ねないとできないから、筋肉は酷使され悲鳴を上げる。細やかな動作さえ、重労働に変わる。
 この方とは違って、かなり肥満の男性が同じ病気でやって来た。まだ2か月くらいしか漢方薬を飲んでいないが、今日は奥さんとともに「奇跡」と評価してくれた。車から降りて5メートルくらいの距離でも、奥さんに見守られてじゃないと入ってこれなかったのに、今では脊柱管狭窄症を忘れさせるくらい元気に入って来る。
 同じ病気でも、筋肉を蓄えている方の回復ぶりは素晴らしい。だから僕は、肥満の方にも痩せないでとよく声をかける。何年か、何十年先か分からないが、こうしたちょっと変わった指導が感謝されるような気がする。

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