悲鳴

 自分から言うことはまずないが、今日は僕の方から勧めた。漢方薬を飲んだらと。
 恐らくほかの方だったら耐えられない痛みしびれを我慢しながら、それに至った原因となる労働を再雇用になっても続けているから。だから、治るなんてのは想像できない。どこまで悪くなるのだろうと想像すると、家族だったら耐えられないのではないか。幸か不幸か、家族を持っていないから、自分が耐えれば済むのかもしれないが、どこまで自分の身体を壊すことに耐えようとしているのだろう。体はとっくに悲鳴を上げているのに、心は悲鳴を上げない。
 もともとウエイトリフティングで鍛えているから、その筋力を期待されて、なん十キロの製品を運ぶ仕事についている。今の時代だから機械で運ぶのかと思いきや、人力でないと駄目らしい。いわば人間リフトの仕事を30年もやっていたら壊れるだろう。僕なら1日で壊れるようなことを30年もやっているのだから、持つはずがない。この10年くらい、病院の処方箋を持ってくるからどれだけ強い痛み止めを飲んでいるか分かるし、どこどこの整骨院鍼灸院が有名だから行ってきたという報告も聞いているから、努力をしているのは分かるが、あれだけ働けば効果は全く出ない。病院や鍼灸の先生が悪いのではない、無理は無理なのだ。仕事を辞めない限り悪化を食い止めることすらできないだろう。ところがウエイトリフティングみたいな「黙々型」のスポーツが好きな方の特徴として、とてもまじめな方が多い。だから彼もまた悲鳴を上げないのだ。
 どうせ断るだろうと思いながら、今日漢方薬を勧めると、意外や意外、迷うことなくやってみたいと答えた。そこまで追いつめられていたのだ。今日ある痛み止めを実費で買いに来たから確かめると、やはり、もう病院にも行っていないし鍼にも行っていないらしい。
 外から見るとまだまだ筋肉隆々の方だが、透視すると骨格ががたがたなのだろう。これだけ働いて、これだけ壊して、何を得たのだろう。ルイヴィトンの会長やユニクロの会長より幸せになってもよかったのではないの?

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