世間

 言ってから自分でも驚いたが「あの頃はよかった」なんて言葉を僕が出していたのだ。
 少し遠いところから来てくださる女性が、ある女性の名前を出して、亡くなったと教えてくれた。そのお葬式で出会った男性がいとこで、亡くなった方の息子さんだとも教えてくれた。もう10年以上前の記憶をたどると、亡くなった方が以前よく僕の薬局を利用してくれていた方。その息子さんは、僕のバレーボールチームにいた男性だと言うのが結びついた。僕はその男性を〇〇さんと呼びその女性に確認すると当たっていた。僕のバレーボールチームはどんどん新陳代謝が進んで、僕と同世代の人間と若手が混在していた。当然彼は若手だった。
 今はもうほとんど頭の中に出てこないバレーボール人生も、25歳から55歳までは、唯一の楽しみだった。週に1回しかない練習だが、30年間欠かしたことがない。広島や神戸に漢方の勉強会に行っても必ず日曜日の午後7時半には体育館に滑り込んでいた。そのためにどのくらい神戸や広島の街中や新幹線の構内やホームを走っただろう。
 仕事とバレーだけの人生と言ってもいいような歳月を僕は「あの頃はよかった」と反射的に表現したのだ。僕は仕事が好きだから、仕事とバレーボールしかなかった歳月ではなく、仕事もバレーボールも楽しんだ歳月だから、冒頭の表現になったのだろう。
 骨格を傷めてバレーボールが急遽出来なくなり、その後偶然見つけた和太鼓の魅力、その和太鼓をベトナム人と聞く楽しみなど、その後、のめり込んだ時間たちを差し置いて「あの頃はよかった」の唯一の対象になったのだ。
 当然、僕の青春時代、フォークソングの真似事や、パチプロの真似事や、学生運動の真似事で怠惰に暮らしていた頃も、「あの頃」には入らない。
 亡くなった女性、その息子さん、買い物に来た女性、そして僕。「世間って狭いですね」と驚いていたが、その狭さが僕は好きだ。この4人の、どこにでもいるような人々の繋がり方が好きだ。僕を受け入れ、育ててくれた狭い世間だ。役に立てるのも、恩返しできるのも丁度良い狭い世間だ。

 


韓国、不法滞在の外国人3865人を摘発、最も多かったのは…―中国紙
韓国政府は新型コロナウイルスの流行を受けて一時見合わせていた不法滞在者の摘発を10月11日から再開。マッサージ店や宅配業者などを重点的に捜査した結果、外国人3865人を摘発した。そのうち3074人に強制退去命令が、207人に出国命令が下され、170人に罰金刑が科された。残る人々については現在取り調べ中だという。
国籍別ではタイが最も多く1441人、次いでベトナム(814人)、中国(587人)、モンゴル(165人)などとなった。
また、不法滞在者に対して罰金の免除や入国制限の猶予などで自主的な国外退去を誘導し、7378人が自主的に出国したほか、雇用主466人、仲介業者17人にいずれも罰金刑が科された。
記事は、韓国では不法滞在者のニュースがたびたび報じられており、9月にはタイ人12人が全羅南道養殖場付近で大麻を栽培し、販売していたことが発覚したと伝えた。(翻訳・編集/北田)

 

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