水戸黄門

 飽き性の僕が、同じものを見ることが出来るのが水戸黄門。それこそ半世紀にわたるファンだから、すでに何度も同じものを見ている。再放送どころか、再々放送、再々再放送、再々再々放送とどこまでもエスカレートする。本当のところは何度同じものが繰り返し放送されているのか知らない。しかし、新聞のテレビ欄に水戸黄門の字を見つけたら意地でも見ていた。数年前までは昼の時間帯だったから、昼食をその時間に合わせて、根性で見ていた。
 ストーリーの展開はどの作品もほぼ同じなのだが、見る度に涙を誘われたり、汚部みたいな悪人が牢に入れられたり、打ち首獄門にあったりすると留飲を下げていた。
 そうした僕の人生の9年間、いやそれこそ再放送、再々放送を含めるともっともっと長い歳月楽しませてくれた3代目「水戸黄門」役、俳優の佐野浅夫さんが亡くなったと、今日の新聞記事で知った。彼の水戸黄門姿はすぐに目に浮かび、不思議なことに感謝の念が一瞬沸いた。
 たかがテレビ番組だが、僕の思い入れの深さで、たかがなどでは済まなくなっている。だから感謝の気持ちが沸いたのだろう。引退や解散する芸能人などに感謝の意を伝える人が映し出されることがあるが、同じ感覚を僕が持ったことが我ながら不思議。僕はドライな方なのだが、こんなこともあるのだ。
 現代に水戸黄門がいればと、何年も思ってきたが、恐らく目撃することはないだろう。架空の世界に救いを求めなければ今を肯定できないような時代を過ごしてきたが、まだ取り返しがつかない状態ではない。ただし、この参議院選挙で大きく舵が切られる可能性はある。中国や北朝鮮やロシアのようになる可能性が。

 

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