何ていう身体能力だ。いまだ猫と暮らしたことがないから生態はほとんど知らなかった。おそらく生まれて3か月くらいなはずなのに、この高さに飛び乗れるのかと言う驚きに毎日見舞われている。
食卓は1メートルもないかもしれないが、余裕で飛び上がる。本箱はそれより高いから、猫に触ってほしくないものはそこに置いている。ところが数日前から見上げては興味を示していたが、ついにその上に飛び乗ろうとジャンプした。ところが、脚力が若干足りなかったのだろう、後ろ足が届かなくて前足2本でぶら下がるようになった。まるでミッションインポシブルでビルの飛び移り、辛うじて指で壁面にぶら下がることが出来たトム・クルーズだ。
20年以上一緒に暮らしていた2匹の犬は、僕を見つけてはすり寄ってきていたが、猫は寄ってこない。と言うより得体のしれない人間と思っているのか若干警戒気味だ。僕もあくびをした時に覗いた2本の長くて鋭い歯を見てから、じゃれて遊ぼうとは思わなくなった。いるのかいないのか分からないような暮らし方をするから、別に同居することに反対はしないが、親しくはならないような気がする。
暑い盛り、物置の下で助けてくれと鳴いていたのをよもや忘れていまいな。どうも見ていて感謝の気持ちが伝わってこないプリンちゃんだ。
