広角

 政治家は勿論、芸能人もスポーツ選手も、もちろん僕の漢方薬も、およそ褒めると言うことをしたことがない人間が、よりによって僕に「足を向けて寝れない」と言った。笑いながらだから本心ではないのだが、冗談でもそんなことを言う人間ではない。彼の辞書の中に褒めるの字はないのだと思う。
 僕が漢方薬で素晴らしい効果を出したのではない。単に夏バテで吐き気や仕事がしんどい状態が続いていたのを改善しただけだ。漢方を業としている人ならそんな難しいことではない。それなのにわざわざ苦手の「褒める」を行使したのは、彼の農業への熱意からだ。
 サラリーマン時代から、仕事から帰ったらすぐに畑、仕事に行く前には畑、休日は勿論1日中畑に出て幾種類もの野菜を作っていた。当時から野菜を産直売り場に出していたが、定年後からは専業農家だ。消費者に喜ばれるように日々努力しているのが、会話の中からあふれ出る。
 僕の草抜きの師匠なのだが、僕が炎天下に10分くらいしかおれないのに、朝は6時ころから昼前まで畑に出る。この差は何なのだと彼に聞くと、「慣れ」と単純明快な答えが返って来る。僕でも慣れればもう少し炎天下で頑張れるのかと思うが、どうも慣れそうにない。毎日10分を境に気分が悪くなる。
 畑に出られなくなると言うことは、自身の哲学?信条を変えるくらいのダメージなのだろうか。花を育てる、子牛を育てるなどと同列の気持ちを野菜に注ぐことが出来るのだろうか。
 人の心が向かうところがこんなに広角なんだと褒め方知らずの男性から教えてもらった。

 

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