石橋

 昨日の智頭行きで、嬉しいことがあった。きわめて個人的なことだけれど、僕にとっては大きな収穫だ。
 僕は「今まで出来ていたことが出来なくなる恐怖症」だ。と言ってもあきらめは潔いものだが、出来ればできないことは増やしたくない。だから体調が悪くても結構挑戦するし、昨日のように心配事があっても結構挑戦する。いつか痛い目に合ったときが僕のこの生き方の終わりかなと、予感はしているが。
 さて昨日の一番の心配事。それはあまりの寒さで、足から冷えた血液が下半身を巡って腰を傷めないかと言うことだった。動けなくなるくらいの腰痛が急に襲ってくるタイプだから、下手をしたら帰れなくなる。僕が帰れなくなるのはいいが、同行したベトナム人がそうなれば会社で叱責されるのは間違いない。そうした目に合わせたくないからぜひ無事に帰ってこなければならない。
 例によって写真魔の子たちだから、撮り捲くりだ。気に入った場所があると30分くらいは動かない。例によって景色より自分を写すことが主だから、ポーズや顔の表情を幾種類も用意すれば移動しなくてすむ。
 その間僕は雪の中で待つことになる。そこで冷えによって一気に腰痛が襲ってくる可能性があった。腰にカイロを貼って出かけ、雪の上では、スワイショーと言う運動をした。要は体を動かして筋肉をほぐし続けたわけだ。雪で車も人もほとんど見かけなかったから、腕を前後や左右にぶらぶらしている人間がいても智頭の景観は乱さないだろう。
 おかげで無事行って帰ることが出来、一番の土産が「まだ大丈夫」と言うご褒美だった。
 もう少しで会社が統合され牛窓工場がなくなるから、すべてのベトナム人との関係が終わる。この20年近くほぼ要求には応えられたと思う。彼女たちの要求にこたえられるように健康でいなければならないという良い意味でのプレッシャーのおかげだ。そうしてみれば彼女たちの存在は心身ともに僕の健康に大きく寄与してくれたのかもしれない。「与えられることよりも与えることを」とクリスチャンの偉大な先輩は教えてくれたが、そう心掛けたにかかわらず、結局は与えられたもののほうが多かった。この頂き過ぎ分を誰か他の人におすそ分けしなければ、石橋を叩いて渡っても落ちてしまいそうだ。

 

衝撃!日本の首相はサルだった!新しい資本主義の先にあるのは労働者も経営者も資本家も全てが貧乏になる最悪の社会しかない。安冨歩東大教授。一月万冊 - YouTube