年賀状ありがとう。
ベトナムでも年賀状と言う習慣はあるのですかね。お父さんは20歳で年賀状を書くことをやめていますから、こうして手紙を出しました。
あこがれの北海道の生活はどうですか？冬を除く季節は大地の豊かさに驚いたかもしれませんね。それとも冬の雪もやはりあなたには感動でしたか？観光でその瞬間を楽しむのならいいでしょうが、ベトナム人がそこで暮らすのはどうなのでしょうか？若いから順応できるのでしょうかね。
お仕事は楽しいですか？多くのベトナム人がやってくるようになり、貴女がかつてお父さんによく言っていた「ひとそれぞれ」が大きな意味を持つようになってきました。好ましくない方も多く来ているみたいですから、よく日本の習慣を教えてあげるといいですね。あなたが経験したように決してこの国はバラ色の国ではありませんから。
お父さんもお母さんも毎日「ブントッ」です。年齢が少しずつ上がってきますから、健康を維持することがとても難しくなっています。あなた方若い人の力をいただいてお父さんも10数年、楽しく毎日を過ごしていましたが、今ではコロナのせいで寮にも行けません。みんなベトナムに帰国したいと言っています。何とか笑いを届けたいのに、大家であるお父さんも立ち入り禁止です。
この国の将来は決して明るくありません。いつもあなたに言っていたように「いずれ日本人がベトナムに行って仕事をさせてもらう時代が来る」と思います。あなたが僕に教えてくれた「貧しい人のための食堂」が実現されるのかどうかわかりませんが、そんな必要がない豊かな国にいずれなると思います。その時のために貴女の知識と心を磨いておいてください。
人生はだらだらと続くものではなく、意外と短いなと最近は思っています。またいつか会えることを楽しみにしています。
お父さん
