感謝

 「いつも励ましてくださってありがとうございます。感謝しています」と丁寧な言葉を電話注文時にかけてくださった。電話で、体調を尋ねただけなのに、ここまで言って下さるとこちらが「感謝」だ。
 この方は、80歳代半ばだが、時に若い世代からも同じようなことを言われることがある。ただ、同様に励ましているつもりはないのだ。多くの方と接してきたから、分かることも増え、正直にまるで反射のように口から出た言葉が、偶然相手の腑に落ちることがあるのだろう。僕は作為を好まないから、言葉も咀嚼しない。つい出た言葉で傷つけることもあるが、こうして寛容に受けとめていただけるとありがたい。
 最近になってこの「励ましの言葉」が漢方薬を飲んでくださっている方に届きやすくなったのは、僕が老いてきたからだと思う。自分の衰えは日々感じているから、相談してくださる方の体調が、まるで里山から富士山を眺めているくらい崇高に見える。違う表現をすれば灌漑用の池から太平洋を見ているようなものだ。僕らの年齢からすると眩しいような精神や肉体で悩んでいると見えてしまうのだ。だから悩み相談を受けている時に出る感嘆符が、励ましに聞こえるのかもしれない。僕らが決して持てないような心や体を持っている現役世代への羨望がエールに変わるのかもしれない。 

 


吉村“ワースト知事”の呆れた開き直り 大阪府コロナ死者数が全国最多、通常病床すでにパンク状態

大阪で新型コロナウイルスによる死者が急増している。16日の大阪の死者数は全国最多の38人に上った。第6波(今年1月以降)で見ても391人とダントツ。人口が1.5倍の東京の179人をはるかに上回っている。しかも、すでに軽症中等症病床はパンク状態。この先、入院できないコロナ患者が増え、さらに死者が相次ぐ恐れもある。なぜ、大阪が最悪の事態に陥っているのか。
昨春の第4波の時、大阪では重症病床が満床になった。あふれた重症者は軽症中等症病床での治療や自宅療養を余儀なくされ、死者の激増を招いた。
第6波でも事情は異なるが、すでに医療崩壊が起きつつある。オミクロン株は重症化率が低いため、重症病床はすいているものの、軽症中等症病床がすでにパンク状態なのだ。
コロナは軽症でも既往症など、他の病気が重症の患者を含めた実質の重症病床使用率は40.4%(15日時点)。一方、軽症中等症病床の使用率は一時、100%を超え、15日時点でも94.1%とほぼ入院できない事態が続いている。府は14日、すべてのコロナ受け入れ病院に対し、コロナ以外の入院患者がコロナに感染した場合、自院で治療を行うよう通知を出した。府がコロナ病床を用意できないからだ。
救える命が救えない恐れ
各地で軽症の自宅療養者が急変し、亡くなるケースが起きている。ましてや、中等症患者は入院の上、治療を行う必要があるが、大阪では今後難しくなる可能性が高い。その結果、入院できない患者があふれ返り、救える命が救えない事態が起こりかねないのだ。
なぜ、大阪が第6波の死者数ダントツなのか。東京と何が違うのか。医療ガバナンス研究所理事長の上昌広氏は首をかしげる
「第6波の死者数が東京179人に対し、大阪391人は、確かに多いと言える差です。ただ、残念ながら要因は思いつきません。大阪と東京でワクチンの接種時期や医療提供体制に差があるとは思えない。なぜ、大阪の死者数が突出して多くなるのかを吉村知事はしっかりと検証し、次のアクションにつなげる必要があります」
42人の死者が確認された15日、記者から「死者数が他の都道府県や東京都と比べて多い理由を分析しているのか」と問われ、吉村知事はこう開き直った。
「陽性者に対する亡くなった割合を全国で見てほしい。大阪が群を抜いて多いとの質問が多いがそうではない。東京はかなり低いが、大阪はちょうど真ん中ぐらいになっています」
絶対数の多さを“死者率”にすり替えて責任逃れでは、何の解決策も見いだせない。大阪は“ワースト知事”でも突出しているようだ。

 

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