駐車場

 年齢とともに変化、大げさだな、変更と言うほうが正しいかもしれない。ちょっとした変更でも億劫になる。
 僕は岡山市の中心街に出かける時にはほとんど決まった駐車場しか利用しない。昔から利用して勝手知ったるのが一つ、スぺースが広いのが一つ。この二つの理由で利用している。
 目的地が遠くてもそこに置いて歩く。かつて駅前を利用したこともあるのだが、あまりの狭さに、隣の車が出払わないと車を出せれないような経験をして、幾分かの不便など問題ないことを悟り、2か所に決めている。
 日曜日に少し重いものを買いに中心部に出かけた。いつものように決まった駐車場のほうに向かうのを察した妻が、もっと近くに便利な駐車場があると教えてくれた。
 3車線道路を進んでいるとあるレーンがそのまま地下に通じて駐車場に早変わりすると言うものだ。僕はその入口はしばしば通るが、そこから駐車場なる所に降りた経験はない。いわゆる食わず嫌いと言うか、ちょっとした冒険心も好奇心も持っていない。確かにそこに車を置けば、ほとんど歩く必要なく、目的の店舗に行ける。
 助手席に妻が乗っているから、おすすめの駐車場を利用してみようかという気持ちになって、その前に重いものを持つかもしれないので腰に負担をかけたくないと言う理由も相まって新しい挑戦をしてみた。
 下りる道は途中でカーブになっていてかなり狭い。ところがいざ駐車場に降りてみるとこれが逆でなんだか「がらん」としていてやたら広い。というか、やたら長い。直線で100メートル走ができるくらいの長さだ。おまけに車がぽつぽつとしか置かれていない状態だ。
 これなら両隣が空いている場所はいくらでもある。向こう3軒両隣でも空いていそうだ。ドアを開けるときに隣の車を傷つけてしまう心配もない。
 まさに僕好みの駐車場。僕向きの駐車場。何十年も食わず嫌いをしたのが悔やまれる。おまけに買い物をした時に駐車場代までくれた。嘗て岡山県一の商店街を誇った表町の斜陽は、僕みたいな運転下手には好都合。がらがらの商店街にがらがらの地下駐車場。居心地の良い空間を見つけた。

 

【LIVE】山本太郎・たがや亮・大石あきこ 不定期記者会見(2021年12月21日) - YouTube