主催者

  なかなか勇ましい光景だ。久しぶりに見たような気がする。
 道路を挟んだ目の前が中学校の体育館で、広い駐車場の向こうに入り口も見える。さすがに人の顔までは認識できないが、大きな声で話す人たちだったら声は十分聞こえる距離だ。
 今朝早い段階から、続々と車が集まり、女子中学生らしき生徒が降りてくる。中には観光バスも一台駐車していた。例によって、朝のウォーキングで駐車場を横切りテニスコートに行くので、駐車している車のナンバーを見てみた。するとほとんどは県内ナンバーだったが、関西と四国のナンバーもあった。恐らく招待された学校の人たちのものだろう。県外からも集まってくる大会を毎年僕は見ている。もっともプレーは見たことがない。駐車場からあふれんばかりの車とユニフォーム姿の生徒たちを。
 見慣れているはずの光景は、この半年近くの異常な光景に置き換えられたから、記憶から消えていた。だからかつての見慣れた光景が、ある時、突然再現されるとそれが新鮮に見えてくる。まさに今朝、駐車場にあふれた父兄と選手たちの集団だ。表向きは選手の控えるところを体育館の外にしていたが、あの集団が、開会式などでは体育館の中に集まったのではないか。と言うか、1日中体育館の光景は見えるからわかるのだが、人が外に大挙して出ていたと言う光景はなかった。結構試合を応援で盛り上げていたのではないかと思う。
 見るからに元気そうな少女達と、まだ若い父兄を見ていて、コロナなどと言う単語は出てこない。どうせ感染してもほとんどが無症状で済む人たちばかりだ。いたずらに恐れる必要などなく、軽く言感染して免疫を獲得したらいい人たちばかりだ。
 僕が主催者でも、僕が父兄でも、きっと同じことをする。