兵庫県の方にとっては、ごくごく自然な表現なのだろうが、隣の岡山県人には新鮮に響いた。
 兵庫県の方からいつものように漢方薬の依頼の電話があった。その電話の中で出てきた言葉で、初めて耳にした言葉だったが、紅葉を話題にしていた時なので、想像がついた。兵庫県でも、瀬戸内海に面している都市に暮らしている人だから、正にわざわざ感が伝わってきた。片道2時間と言うことからも裏付けられる。
 同じ内容の言葉を岡山県で伝えようとすればさしずめ「県北」だ。岡山県は、地名で県内を区分する言葉として、備前藩の名残の「備」が使われる。備前 備中 備北など。各々がどのあたりを指すのか詳しくは分からないが、なんとなく自分のいる辺りは分かる。県の出張所が結構具体的に表しているように思う。例えば備前保健所などと言うように。
 電話の主は「兵庫県だったらどのあたりに紅葉を見に行くの?」と言う僕の質問に「北兵庫に行ってきました」と答えた。勝手に北と言う字を当てて僕は理解したのだが、恐らく合っていると思う。2時間と言う言葉を聞いていたから「ずいぶん北のほうに行くんですね」と答えたら肯定していたから。元々ドライブが好きな家族で、わざわざ県を越えて漢方薬を取りに来られる方で、その労力も何ら問題ないらしい。僕なら新幹線の距離なのだが、思い付いたらいとも簡単にやってきて、ちょっとの休憩ですぐに帰っていく。僕なら一泊でもしそうなのに。
 北兵庫があれば中兵庫も南兵庫もあるのだろうか。県によって恐らく色々な呼び方があるのだろう。ふとした拍子にでた言葉一つが、この年齢になればいとおしく感じる。特に氷山の一角くらいの知識で生きてきた人間にとっては。

 

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