小話

 10年くらい前までは、漢方薬を飲んでいる方が時々訪ねてきてくれて泊って行っていた。
 今日注文をしてくれた女性もその中の一人で、その方は我が家ではなく、オリーブ園にある外国人宿泊所を予約していてそこに泊まった。垢抜けた女性だったが、その後は、会うことはできないが、体調などの相談を親近感をもってしてくれる。その方に今日返事をしたのが下記のメールだが、そしてまるで小話のようだが、結構言いたいことを短い言葉で表すことができていて、皆さんに読んでいただくことにした。
 同じ視点で浜矩子先生が、わかりやすく書いてくださっているので下に張り付けたが、そちらはまじめに読んでほしい。僕のはふっと笑いがこぼれたらそれで充分。所詮素人だからここどまり。

「今作りましたから今日発送します。なにかと騒がしい東京圏ですね。今思えば、あなたが宿泊したところなど、空気清浄機のようなところですね。政界にも空気清浄機があったら、もっとこの国の人間は幸せなのでしょうが。ばい菌よりも汚く、コロナより危険な人間ばかりです」


浜矩子「自民党を包み込む『バブル方式』は泡の外の常識からかけ離れている」
2021/08/31 17:00
 経済学者で同志社大学大学院教授の浜矩子さんの「AERA」巻頭エッセイ「eyes」をお届けします。時事問題に、経済学的視点で切り込みます。

*近頃、何かとバブルという言葉を目にし、耳にする。エコノミストである筆者にとって、バブルは経済の過剰膨張がもたらすものだ。このバブルは怖い。必ず恐慌を呼び込む。
 だが、近頃はやりのバブルは別物だ。「バブル方式」のことである。パンデミック荒れ狂う中で、オリンピックとパラリンピックを強行するにあたって、採用された感染症対策だ。競技の開催エリアを泡で包むように囲い込み、外部の世界と遮断するというやり方だ。これで、感染拡大徹底防止を実現するのだという。その通りになったかどうかを巡って、疑念が湧き出している。
 こうした状況の中で、自民党総裁選の日程が決まった。今は何事もなかったように、そんなことをしている場合か。野党から、そして与党内からも、疑問と非難の声が上がっている。ごもっともだ。この非日常の中で恒例通りに事を運ぼうとしている連中は、日本列島が広範に及ぶ緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の発出下にあることを忘れ去ってしまっているのか。
 ひょっとすると、彼らこそ、バブル方式の下に身をおいているのかもしれない。そう思えてきた。自分たちと現実を遮断する泡に包み込まれて、ぬくぬくしている。泡の外でどんな怒りや嘆きや呻(うめ)きが上がっていようと、どんな糾弾の叫びが上がっていようと、専門家たちがどんな警告を発していようと。それらのいずれも、泡の中深く引きこもる彼らの耳には決して届かない。
 思えば、自民党という政党においては、長らくバブル方式が標準仕様になっていたのではないか。よくあんなことが言える。どうして、彼らとは質疑の歯車がこんなにもかみ合わないのだろう。我々がしばしばこのような思いに駆られるのは、我らと彼らがバブルの外と内に位置しているからだ。バブルの中の常識が、バブルの外の常識と全くかけ離れているからだ。
 そして、彼らを包むバブルは鉄壁だ。スポーツ競技に関するバブルは脆(もろ)さを露呈した。だが自民党政治を包み込むバブルは実に強靱(きょうじん)だ。その中にいる政治家たちは、バブルの守り方に関する「プレーブック」に実に忠実だ。身の毛がよだつ。