マルナカ西大寺店

 昨夜は、やっと二皿の鰆の刺身が残っていた。運がよかった、いつもはまず一皿も残っていない。でも待てよ、おそらく何百人、いや大きなスーパーだから1000人以上が目の前を通り品定めしたはずで、それでも売れ残ったものでいいのだろうか。専門の主婦たちが手を出さなかったもの、それを買って食べていいのだろうか。迷いは1秒。嬉しさ優先で二つを手に取った。その後、メープルシロップ、ドレッシング、ホテル食パンを買ってレジに持って行った。
 こうしたことをもう2か月くらい繰り返しているが、結構楽しみだ。9時以降に入店するとレジに店員さんがいなくなるから、それ以前に行くようにしている。9時を過ぎると自分で機器を使いこなし会計をしなければならないので避けている。一度教えていただいたが、うまくやれる自信がないから人がやってくれるレジを選択している。
 その時間帯は大きなスーパーでもどうだろう、10人くらいのお客さんしかいない。夜間の駅の構内みたいな人気のなさを感じる。ただそれはかなり居心地が良い。そして何よりももっと心地よいのは、店員さんたちがとても親切ってことだ。その時間帯だから恐らくエースが配置されているようには思えない。それが証拠に、二十歳前後の若い女性と、僕くらいの年齢層の女性たちの2層で構成されている。
 前者はレジでお世話になるが、40年前の黒色のジャージのズボンに、35年前の青のジャージの上着を着こなした僕にもとても親切に礼儀正しく笑顔で接してくれる。数人交代で見かけるが、どの子もそん色のない礼儀正しさと微笑みを備えている。採用の基準はいったい何なのだろうかと、その極意を教えてもらいたいくらいだ。薬局のスタッグに連れて帰りたいくらいだ。
 後者のおばちゃんたちは、恐らく僕を嫁さんに出て行かれた初老の一人暮らし位に思ってくれるのか、欲しいものが見つからなかったり、食べ方がわからなかったりして尋ねた時の「おせっかい」が有難い。恐らく日常を、夜のスーパーで再現しているだけだろう。スマートではないが、とてもありがたい。
 今年に入ってから仕事を6時半に終われるようになって、西大寺まで買い物に行けるようになった。気分転換にちょうど良い。こうした何気ない日常の小さな変化に救われている。

 

https://www.youtube.com/watch?v=v7hQZWnvPN0