古紙

 毎日多くの会社から薬が届けられるから、段ボール箱がすぐに溜まる。2日か3日でひとくくりにして駐車場に置いておくのだが、あまりきれいなものではない。何年もの間、ある介護用品専門の問屋さんが月曜日には持って帰ってくれる。その問屋さんも段ボール箱の処分には困っていて、専門の業者に依頼しているらしい。いわば問屋さんの処分に便乗させてもらっているのだ。
 薬局が介護商品の販売機関にならなくなってから久しい。当然その問屋さんから仕入れる金額も減ってきた。それなのに今だ好意に甘んじているのが心苦しかった。そんな中所々で見かける廃品回収ボックス?に初めて段ボールの束を持って行ってみた。いくつかのコンテナみたいなのがあって、段ボールとか新聞とかの区分けがされていた。監視カメラがあるからか、結構ひもで縛られていて、乱雑に投げ込まれていると言うような印象はなかった。この日曜日で2回目なのだが、2回とも数組の人と一緒になった。需要が多いことがわかる。助かる人が多いのだろう。
 僕の住む町は1か月に1度、紙類の回収をするが、1か月もしためておいたりしたらかなりの量になる。家庭でも同じだろう。スーパーに家庭ごみを持って行くくらい潔癖?な人が多いこの国だから、いいところに目を付けたなと思う。アナウンスしながら家々を回らなくても、勝手に持って来てくれるのだから、笑いが止まらないだろう。潔癖を逆手に取った発想だ。
 古紙回収ボックスが、どのくらいのビジネスになっているのか分からないが、これからのビジネスは、人の役に立つ、環境にやさしいが必須らしい。僕の仕事は後者の視点が欠けているから、少なくともこれからのビジネスではない。