人生

「人類の最大の危機を解決するふりはやめよ」。スウェーデンの環境活動家グレタ・トゥンベリさんが4日、ブリュッセル欧州連合(EU)欧州議会で演説し、欧州委員会が同日公表したばかりの「欧州気候法案」を「(気候変動問題での)降参を暗に認めている」と酷評した。気候法案は、EU域内の温室効果ガスの排出量を2050年に「実質ゼロ」にする目標を法制化する内容。フォンデアライエン欧州委員長は「世界の気候リーダーとしての欧州の地位を固めるものだ」と主張している。しかし、グレタさんは「自分の家が燃えていたら、消すのに数年も待たないでしょう」と語り、50年という先の目標より目の前の対応を重視すべきだと訴え。気温上昇抑制の根拠となる二酸化炭素(CO2)排出量の考え方も「不十分だ」と批判した。さらに「気候リーダーになるふりをしながら、まだ新たな化石燃料インフラを作っている」「誰も従う必要がない法律を法律だと見せかけている」などとこき下ろした。 
 
 すごい少女だと思う。歯に衣を着せぬ言い方ではなく、真実を突いているから胸に突き刺さる。どういった気持ちを持っている少女なのだろうと思う。政治屋は鬼業の手先だから権力をかさに反論するしかないだろう。まともに議論したら論破されてしまう。汚れこそが存在理由の人種にとって、ここまで純真だったら太刀打ちできない。心に響く彼女と、財布に響くやつらの人間としての価値は比較の対象にもならない。
 それにしてもこの国の若者はどうだ。批判を一身に浴びても戦う勇気がある人を見ない。またそうした人物を世に送り出そうとする集団も知らない。そこそこに豊かな時代ならいざ知らず、そこそこに貧しい時代に入っているのに、現状を受け入れてしまっているのか。富めるものがますます富み、持たないものはいつまでも底辺に甘んじる。底辺で生きるには人生は長すぎる。