流感予防

 漢方薬の会社のセールスがあるものを持ってきてくれた。その紙は、コロナ対策のために中国で処方されている漢方薬の成分表だ。中国語だから完全には読めないが、政府の公的機関が出している通達のコピーだ。印鑑が押されているが、「国家衛生健康委員会亦公庁」と書かれている。
 その内容を見て僕は驚いたというか自信を持った。というのはもう15年以上前から冬になると「流感予防の漢方薬ちょうだい」と言ってくる方がとても多いのだが、見せてもらった処方と、僕が皆さんに飲んでいただいている処方が、かなり重複するのだ。そもそも僕が皆さんの風邪やインフルエンザをもらいたくないという理由で、僕の先生が教えてくださった処方を朝仕事を始める前に数グラムずつ量り飲んでいたものだが、一人、また一人とファンができて、今では一体どのくらいの方がとりに来ているかわからないくらいだ。結構効くみたいで、10数年の間に実際にインフルエンザに罹った人はいないと自負していたら、昨年一人かかったと娘が教えてくれた。大量に何人分も持って帰る会社では、飲んでいるグループは本当にひかないらしくて、僕を勇気づけてくれている。
 今年はコロナが流行っているので、「コロナにも効くかな?」と尋ねられるが、僕は効くのではないかと思っている。漢方薬が遺伝子の配列を問題にするはずがない。抗ウイルス作用がある薬草が、相手を選ぶとは思えない。人込みに行かないのもいや、マスクをするのもいや、忙しくて早くも寝られない、してはいけないことを避けられないのだから、一つくらいは予防策を講じたい。どのような結果になるかわからないが、僕自身の考えと、国家衛生健康委員会亦公庁の力が試される。比べるのもおこがましいが。