我が家の墓地は急な坂を上がっていくこと10分近いところにある。これが平地なら2,3分で到達するだろうが、かなり急な坂だから10分くらいは見ておいたほうがいい。おまけに道が狭いものだから車では上がっていけない。
 昨日の法事でお墓におまいりしたのだが、4人がお墓には行かなかった。兄の家でお坊さんに拝んでもらってから直接食事を頼んでおいた旅館に行った。そう、もうあの坂を上れない人が4人いるってことだ。わずか12人のうち4人が上がれないのだ。
 恐らくこれからだんだんその数を増すだろう。そこで姉がお墓を移すことを提案してくれた。平地に移そうというのだ。そうすればいつでもおまいりできるし、花も毎日変えることができる。母をこよなく愛していた姉だからこその提案で、もう一人の姉、兄、弟全員が即快諾して話は決まった。
 運よく僕が数年前にベトナム人の寮を探していたある会社のために買ってあげた370坪の土地がある。本来はそんな広い土地は要らないのだが、まるで桟橋のように突き出た使い勝手が悪い土地付ではないと売らないと言うので、仕方なく手に入れたのだが、それが初めてお荷物から役に立つ土地に変わりそうだ。
 実はその土地に1ヶ月前にいのししが出た。ベトナム人が寮として使っている古民家の裏だ。僕の土地もそうだが、隣接している畑2枚も耕作放置地で、我が家も負けそうなくらい草が生えている。特に今はセイタカアワダチソウが極端に高く伸びていて、もはや草を通り越して木にでもなりそうだ。いのししには格好の隠れ家になる。人間の近くまで堂々と近づくことができるので、もし運悪く遭遇でもしたら大変なことになる。その予防措置として整地するのも意味があるから、今回決断した。何かを動かすきっかけみたいなものはあるものだ。ぜひ次なるきっかけは、汚部が辞めさされることのそれであってほしい。