衝撃

 地元の報道でも「衝撃が走った」と表現しているが、僕も思わず朝刊を読みながら声を上げた。まさに僕にとっても衝撃だったのだ。
 ついに四国フェリーが宇野、高松航路から撤廃すると決めた。それも来月中旬を最後とするらしい。20年間くらい意図的に利用してきたが、もうこれでフェリーに乗れなくなる。高松港が次第に近づく頃、高松港が次第に遠くなる頃、いつも同じような感慨にふけっていたが、あの不思議な孤独感をもう味わうことはできなくなる。人は常に誰かとつながっていなければ生きていけない動物だと、感じる瞬間なのだ。高松港で誰が待っているわけではないし、高松港で誰かが見送ってくれるわけではないのに、僕にとってはあの街にすむ人、まるで関係ない未知の人達が一つの人格になっているのだ。街は人で、人は街なのだ。だから僕はそこを訪ね、離れる瞬間に人恋しくなる。家に帰りたくなるのだ。
 今日誰かのパレードが莫大な経費を使って行われたらしい。そのお金の一部をくれないか。カルタから1機数百億円の戦闘機を100機買うらしい。1機分でいいからそのお金をくれないか。汚部は就任してから60兆円僕らの税金を外国にばら撒いたらしい。自分の見得の為、企業に還流させて儲けさせる為。国民の半分以上が生活が苦しいと言っているのに、一体誰に金をばら撒いているのだ。その取り返しがつかない膨大な金の一部をくれないか。
 今日の瀬戸内海も穏やかでとても綺麗だ。この海を渡るときの潮風や波を、これからも僕やフェリーの利用者にくれないか。