この数日、台風予報を逐次チェックしていた。首都圏を伺っている台風ではなく、地味に北上している１４号だ。あさって、高松で行われる志多らのコンサートに行けるかどうか、僕にとっては大問題だったからだ。数ヶ月前に５枚チケットを買って、一緒に行くメンバーも決まっている。１０月に帰国する４人の思い出作りも兼ねているからどうしても行きたい。ただコンサートに行くだけでなく、金比羅様、まんのう公園、高松城の日本庭園などを組み込んで、下手な観光業者並のプランを立てている。
色々なパターンを数日間考えていた。人様の命を危険にさらすことは出来ないから、最悪、僕だけ行って、帰りのフェリーが決行すれば駅か安ホテルに泊まって朝帰る。運よく台風が夜に近づいてくるなら、僕だけコンサートが終わって２時間くらい後の最終フェリーを待ち、かの国の女性達はＪＲで瀬戸大橋を渡って帰らせる。体力が残っていれば高松から車で坂出まで行き３時間かけて瀬戸大橋を渡って帰ってくる。
僕は結構諦め下手だと思う。無駄な抵抗はしないが、無謀な抵抗はする傾向がある。僕一人なら考えるまでもないことだが、さすがに人様、期待の星達の安全第一だ。考えて考えて、僕の欠点を特に考えて、そして自分に言い聞かせてきたつもりだが、今天気予報を確かめたら行き先は「中国じゃあ～」よかったよかった、そこには同胞もいない。日本人同士で｢台風よ逸れてくれ」は後ろめたい。今なら大きな声で堂々と言える。「中国じゃ～」
