解除

 セキュリティーが終了するからと言われて、いやいや買っていたパソコンを今日漢方問屋の専務さんが設定してくれた。設定が完了した後一応最低限必要だろうことを教えてくれたが、いざ一人になると心もとない。実際、彼が帰った後、広島の女性に返信メールを送ろうとしたのだが送れなかった。おそらくこの機械に慣れるまでかなりの人に迷惑をかけると思うが、決して悪意からでなく、機械音痴のせいだと許してほしい。  それにしても変化と言うものにとても免疫がついてしまった。若者ならそれにこそ生きがいを求め喜びを得るのだが、僕の場合はもっぱら戸惑うことばかりだ。変わらないことに価値を置き、それを売りにする傾向も無きにしも非ずだが、この期に及んでそれはもはや通用しそうにない。もうこうなればなりふり構わず、指を横に大きく振ってページをめくったり、2本の指を大きく開いて、写真をこれ見よがしに拡大してやろう。禁断の携帯電話も、いやスマホも解禁だ。  今書いているブログの原稿も、果たしてアップできるかどうかわからない。実は先ほどアップしようとして原稿が消えてしまった。この疲労感はなかなかほかでは味わえない。徒労といったほうがいいかな。同じ文章を書くことほどむなしいものはない。  いや、いい手を思いついた。コードを古いほうにつなげばあの機械は生き返る・・・こうして結局僕の機械音痴は温存される。もう何年も前にセキュリティーを僕の頭から解除したのが間違いだった。