空想

もう2年くらいになるだろうか、県北からわざわざ訪ねてきてくれた親子がいる。要望にはすぐに応えることができたから、それ以後は漢方薬を送っている。嫁にもらうなら県北の人とよく言われていたように、若いお母さんもなかなかできた人で、お子さんも甘えん坊で元気だった。 今でも、漢方薬を作って薬袋に名前を書き入れるたびに、決まってあることが頭に浮かぶ。なんとそのお子さんの苗字の画数が32で名前の画数が26なのだ。当時も思わず由緒ある家柄なのとお母さんに尋ねたほどだ。名前の画数に平均と言うようなものはないだろうから感じでしか判断できないが、明らかに多いような気がする。たとえば僕の場合、苗字は11画で名前は14だ。合計でもそのお子さんの名前と同じだ。苗字の分だけ丸々少ないことになる。 そのお子さんの苗字も名前もきれいだから何も僕がこだわる必要はないのだが、好奇心と老婆心をミックスして言わせてもらえば「テストのときにどうするんじゃい!」下手をしたら、名前を書き終わったころには他の人は試験の問題を解き終わって、提出の用意をしているかもしれない。明らかにそこにおいてはハンディーだ。ただそれをものともしない知性がその家庭にはありそうだから、部外者がとやかく言う必要はないが、立派なおじ以さまがつけた名前とか・・・その辺は定かではないが、名前を書くたびにこんな楽しい空想をする。