錦海湾牡蠣クルージング 2

 「来週、もう一回乗りに来たら笑われるかもしれんな」と照れて言うと、前島フェリーのスタッフが「大和さん、笑わんから乗りに来て」と言った。今日僕は2週続けて前島フェリーの錦海湾牡蠣クルージングに参加した。  船上からのレポートは先週したから今日は省く。今日は帰りの船上で牡蠣の詰め放題についての印象を書く。そもそも今日の参加者は個人やカップル、若い家族連れが多かった。先週は大阪のママさんバレーの人達が大型バスで乗り付けていたから、さながら彼女たちの貸し切りの様相を呈していたが、今回は小さなグループがそれぞれに船の上で場所をキープしていた。  案内があるとそれぞれが普段は車を載せる場所に降りてきて、ブルーシートの上に所狭しと並べられた殻付きの、それも海から上げられたばかりのものを、配られたビニール袋に詰め始めた。軍手とビニール袋を渡されるのだが、このビニール袋が意外と小さい。普段殻付きの牡蠣を手に取ったりしないから一見10数個でも入るのかなと思うが、意外や意外、20個は入ると思う。係りの人の説明によると上手に入れれば40個入ると言うが、どう見てもそれははったりに聞こえる。実際先週妻と二人で参加したときには、頑張って一人20個くらいだったと思う。  今日僕は秘密兵器と一緒に参加した。かの国の若い女性4人、それも選び抜かれた詰め放題の精鋭部隊だ。彼女たちは、スタートの合図とともに戦う女性の表情に豹変し、精密に計算され尽くした無駄のない動きで、恐らく前島フェリーの言う限界(40個)まで詰めたと思う。あまりの凄さに日本人も見とれていたくらいだ。僕は自分で詰めるのを止めて袋を渡した。先ほど夕食で食べたが、息子と二人でやっとの思いで間完食出来るくらい多かった。  参加者がしゃがみ込んで一所懸命袋詰めしているのを僕は立って見ていた。スタッフでもないのにまず人数を数え、一人一人の表情を見せてもらった。こうした何々し放題というのを経験したことがないので、多少僕など照れもあるのだが、まして地元の人間で牡蠣など珍しくもないから、出来るだけ多く持って帰るというのに抵抗があったが、ほとんど全員と言っていいほどとても熱心に袋に詰めていた。それで、その時、初めて分かったのだ。牡蠣という海の幸はとても愛されている食べ物なんだと。好きな人が多いのだと。僕は牛窓の魚介類が愛されることも嬉しかったが、参加者のすがすがしい表情がそれ以上に嬉しかった。そして風はまだ冷たいが、海の上を渡る澄んだ空気を一杯吸って、自然に包まれる瞬間を力まずに楽しんでいる人達の醸し出す柔らかな雰囲気を共有できたことが大きな収穫だった。  来週は最期のクルージングで、本当なら「笑われても」参加したかったが、広島で漢方薬の勉強会がある。僕の代わりに参加してくださる方は・・・

錦海湾牡蠣クルージングと牡蠣の詰め放題 3月16日(日) 12時 牛窓港出港 牛窓県営桟橋(ファミリーマートすぐ南) 予約 問い合わせ 瀬戸内市緑の村公社 前島フェリー TEL 0869-34-4356 FAX 0869-34-5231 http://www.maejima-island.info/