クマムシ

 クマムシ類は体長が0.1mm~1mm未満の微小な動物で、4対の脚を持ちます。通常の市街地のほか、深海、高山、極地まで幅広く生息しています。ゆっくり歩くことから緩歩動物と呼ばれマス。陸生クマムシの多くは乾燥耐性を持ち、周囲が乾燥すると脱水して縮まり乾眠と言われる状態になります。この状態では水含量は数%にまで低下しており、生命活動は見られません。驚いたことに死んだわけではなく、水を与えると速やかに活動状態に復帰します。超低温(ー273度)・高音(100度)超真空・放射線(人の致死量の100倍の放射線)水深1万メートルの75倍の水圧に耐性を持つことから、乾眠状態のクマムシなら宇宙空間に曝露しても耐えられるのではないかと指摘されてきました。この仮説を検証するため2007年秋にクマムシの宇宙曝露実験が行われました。穴の空いた箱にクマムシを入れて宇宙空間(高度258 ? 281 km)に10日間曝露しましたが、生存率や寿命、繁殖率について特に影響はありませんでした。宇宙空間に曝されて生存した初めての動物になります。

 定期的に送られてくる薬学の雑誌に出ていた文章を要約してみたが、面白くなくて退屈な文章ばかりの中にこの文章を見つけ、珍しく目が釘付けになった。生きているのだから、生命力と言っていいのだと思うが、並はずれた、いやはずれすぎたその生命力に驚いた。これだけ過酷な環境をものともしないのだから、何が敵なのかと思うが、恐らく一番怖いのは圧力だろう。踏みつけられる、握りつぶされる、かみ殺される・・・だけどそれもないか。あまりに小さいので靴底は運動場のように間延びしているだろうし、握り拳などクマムシにとっては東京ドームみたいなものだ。歯の隙間も瀬戸内海くらい広いかもしれない。となると天敵がいないってことか。だから何もない状態で生きていけるのだ。ただクマムシのえらいところは、アホノなんやらと違って身の程を知っているってことだ。いずれ現れる驚異に無知ではしゃいでいる奴らとは違う。