梅雨

 いつものように中学校のテニスコートに朝のウォーキングのために不法侵入したときに、なんとなく景色が違った。僕は4面あるコートのうち、生徒数の減少のために使われなくなった一番端のコートの周りをひたすらグルグル回るのだが、足元に、いやコートの中に一杯白いキノコが生えていた。どう表現したらいいのだろう、大きいものは数センチ、小さいものは1㎝くらいの傘を持ったキノコが、まるで月面に降り立った宇宙人のように立っていた。(生えていた)
 数日ごとに雨が降るから、土壌はそれらに好都合な状態なのだろう。自然の培地が出来上がったわけだ。僕はいつからかじっと潜んでいた菌たちの生命力に感心した。真っ白でお菓子のチョコレートのような形で、もし八百屋の店頭に並んでいたら買ってしまいそうなくらい、典型的なキノコの形をしていたが、おそらく食べることはできないのだろう。ひょっとしたら毒キノコ?でも僕はその姿がとてもきれいだったので、踏みつけることはとてもできなくて、用心しながら歩き続けた。
 3週間早い梅雨が、僕の心の中まで湿らせる。毒キノコに救われる雨上がりの情景。

 

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