木漏れ日

 ・・・そこまで自分の全てを客観的に分析、把握できているなら後はもう何もする必要はありません。僕もあなたと似たような所がありますが、僕が幸運だったのは、毎日目の前に体調不良の人がいっぱいやってくることでした。田舎に暮らす、そうした人の役に立ちたい一心で自分なりに勉強しました。  大学では全く勉強せずに、今もって何故薬剤師の国家試験に合格したのか不思議ですが、 それでも牛窓に帰ってきて店頭に立ってからは、時間を惜しんで勉強しました。だから僕は全く後ろを振り向く余裕もなかったのです。  社会に出て職業人になるのは結構面白いですよ。集団だから気の合わない人や、絞め殺したくなるような低劣な人間もときにはいますが、おおむね善良な人が多くて、人間が社会的動物だって事が、犬も同じですが、良く分かります。  自分を探求するのはこのあたりで止めて、あなたが哲学者になるのなら別ですが、新天地を求めてみたらいかがでしょう。光溢れるところでなくても、木漏れ日くらいでもなかなか良いものですよ。ギラギラ燃えるように生きていける時代はこの国ではとうに終わっています。それにしがみついている老政治家どもが哀れに見えるし、彼らの存在自体が社会の迷惑です。彼らの恩着せがましい価値観に縛られずに、人生を楽しんでください。 ヤマト薬局