被害者

 今朝の毎日新聞に出ていたから読んだ方もいるだろうが、驚くべき事実だ。とは言え、僕などはずっとこの程度のことは予想していたから驚かないが、患者自身が被害者って事を認識した方がいい。このレベルのことは副作用と呼ぶべきではなく、ほとんど作為的に作られた病気と呼ぶべきだ。分業という名でこんな片棒を担がなくてすんでいることをありがたいと思う。門前に開業している薬局は「先生薬が多いのではないですか」とか、「診察せずに薬だけ渡していいんですか」なんて言えないだろうから、共犯者に自ずとなってしまう。なんでもベンゾチアゼピン系の向精神薬で、これは有名な薬が多く、とても沢山の人が服用しているが、依存症や乱用に陥った人の8割がなんとアルコール依存や気分障害、不安障害、睡眠障害の治療中らしい。要は病院にかかり治療中に依存や乱用者になるのだ。何と実際に診察せずに処方された人が4割もいるのだから、治す気があるのかどうかそもそもそれすら疑わしいが。  患者は「不眠の解消」「不安、緊張の緩和」「いやなことを忘れる」為に乱用するらしいが、そのあげく6割の人は暴力をふるったことを忘れ、5割の人が過量服用で救急車で運ばれ、3割が交通事故や転倒で救急車で運ばれているらしい。元の病気も辛いだろうが、これも又辛いだろう。運が悪ければ他人を傷つけてしまい、自分も犯罪者になってしまう。  僕は欧米の人間は、抗不安薬などをいとも簡単に飲む人種だなと思っていたが、実際には日本の方が6~20倍多く飲んでいるらしい。医療機関も製薬会社も笑いが止まらないだろうが、薬物乱用者が巷にうようよしていることを考えれば危険で仕方ない。誰でも良かったなどと、昔なら考えられない動機もひょとしたら薬物のなせる技なのではと考える人達もいる。そうした指摘に耳を傾けるべきだが、原発事故で一人も死ななかったなどと、このところ調子に乗りまくりの政党の馬鹿が言う世の中だから、薬物依存など気にもとまらないのだろう。医療とは名ばかりで、所詮心の病は薬の消費者なのだ。