駐車場代を倹約したばかりにえらい目に遭いそうだった。同じような話を数日前関東の女性からメールで読ませてもらったばかりだったのに。もっとも彼女の方は高くついた落ちだし、僕の方は安くついた落ちの違いはあるが。 恐らくモデルのような体型の彼女には漢方薬を作るたびに運動を勧めている。筋肉がもう少しつけばもっと体調が良くなるだろうことは想像に難くないから。忙しい彼女が一念発起して休日に隣町の駅まで歩いたそうなのだが、結局熱中症みたいな症状に襲われて帰りはタクシーで帰ったのだそうだ。これは高くついた話。  僕は今日、来年度の漢方の研究会の会場取りに、あるホテルを訪ねようと思ったのだがそれこそ駐車場代を倹約するために教会に車を置いた。ミサにあずかるのではないから不遜極まりないのかもしれないが、そこは分かち合いの精神に甘えることにしている。会場は10分くらいの所にあるから、ウォーキングの足しにもなって丁度いい。ところがよく考えてみれば僕のウォーキングは早朝か夜しか行っていないので、残暑の中は結構こたえた。打ち合わせの他に雑用もこなして結局は教会まで帰ってくるのに、1時間近く歩いたことになった。Tシャツか肌着か分からないような僕の服は、汗でかなり透き通っていたように思う。その後、いつものお決まりのスーパーの食堂で楽しみの昼食をとろうとしたら、食欲が全くない。折角駐車場代を浮かせたのだからはりこめばいいのに、肝心の食欲が湧いてこないのだ。寧ろむっとするような気持ちの悪さと倦怠感が襲ってきた。その後の用事のためにどうしても胃の中に物を入れておいた方がいいので、無理をして定番のラーメンを食べた。おいしさを味わうこともなくただ犬のように胃袋に直通させただけだ。ちょっとした贅沢を狙ってのこすい(せこい、意地汚い)行動が、いつものように安くついた笑えない笑える話だ。  何年経っても、けちと倹約のもつれた糸がほどけなくて困る。