祈り

誰に跪いているのか分からなかった 誰に祈っているのか分からなかった どうしようもない時に うなだれて東の空が白むのを待っていた 暗闇はいつも不安を伴ってやって来て 長い夜が横たわっていた

逃げ出したいときや 投げ出したいときに 壁に向かって跪いて 誰かに祈っていた 涙を流すことで避けられる哀しみや苦しみはなかった 泣いてみたいと思ったが それで流せるものではないと分かっていた

祈りは捨てさるためではなく  手にするためだと悟った もう一度 もう一度 やり直したり 信じてみたり 小さな勇気や 小さな希望が 閉じた瞼に現れた

一礼して立ち上がり朝陽を待つ 授かったものは目で見えないもの 手で触れられないもの 心だけで見えるもの 心だけが触れられるもの この弱き心が いつまでも弱いままでありますようにと