親切

 今日は、たくさんの親切と理解に助けれらた日だった。急に一人薬剤師になったから、漢方、普通の薬、老人施設の薬、処方箋調剤と一人で全部やった。もちろん妻と母が手伝ってくれた。これは家族だから当たり前で、他人の親切が心に響いた日だった。  新しい調剤の機械に精通していないので、しばしばトラブルを起こした。その都度メーカーのセールスの方は電話で丁寧に指導してくれたし、昼過ぎには心配になってのぞいてもくれた。夕方に又トラブルが起きた。その頃は薬の納入時間との戦いだった。僕の悲鳴は30kmはなれたところにいた技術者に届き、急いで駆けつけてくれた。  僕の窮状を知ってくれた僕の元患者さん達が数人、手伝ってあげようかと名乗り出てくれた。勿論薬剤師ではないから調剤は出来ないが、掃除や食事などは出来る。関東、関西、九州から駆けつけてくれるのだろうか。7月に来るなら手伝い。8月にはいってなら保養と答えておいた。慣れた人なら接客もできるかもしれない。今ならちょっとした手伝いでも嬉しい。  実は本当に初めてだが、今漢方薬を9人分作っている。今日渡す筈の漢方薬が出来なかったのだ。明日取りに来てもらうように頼んで、今日はひき返してもらった。しょうがないなと、いやみの一つも残さず帰って言ってくれた。  また、僕と話をすることによって大きく改善する人達がいる。その人達にも長い時間を割くことが出来なかったのだ。でも、僕のいらついた様子を察して、早目に切り上げて帰っていってくれた。  気持ちは限りなくハイで、身体は限りなく重い。でも、親切な心に触れると善良な薬局でありたいとつくづく思う。