予想以上

 これは僕にとっては予想以上の結果だ。ある方の提案で、僕の漢方薬を飲んでいる過敏性腸症候群の人同志のメール交換が始まった。未だ数人のグループだと思うのだが、お互いが治療の足を引っ張ることなく、前向きに話を楽しんでいるみたいだ。それぞれが時々僕にくれるメールの中で、好ましい感想を寄せてくれる。  まさに、按ずるよりも生むがやすし・・・で、何ら心配する必要はなかったのかもしれない。特に今回のグループは立派な大人の人達ばっかりだから、お互いにいたわることも出来るし、客観的にお互いの症状を指摘し合うことも出来る。立ち止まることをそれぞれの人は目的にはしていない。何故なら留まっては後退と同じことだから。  恐らく長い間、誰にも自分の症状を打ち明けれずに一人悶々と悩んでいた人ばかりだ。僕に接触してくれた人のほとんどが、こんなに全部人に話したことはないと言う。何十年選手でもそうなのだ。こんなに苦しんでいるのに、何故同じような人に巡り会わないのだろうと悩んでいたに違いない。自分が隠しつづけたように、誰もが隠しつづけているからお互い遭遇しないのだ。過敏性腸症候群は、花粉症と同じ位の患者さんがいる。花粉症は隠しとおせないが、過敏性腸症候群は隠しとおせれる。それが又悲劇のもとでもある。隠しつづけるから、なにもよい情報は入ってこないし、言葉でストレスを捨てることもできない。人は喋ってストレスを発散するのだ。辛いことは全部口から出してしまえばいい。一人で抱えては解決できない。話せば話すほど知恵は集まり、悩みは薄まる。その代わりをひき受けたのがメールなのかもしれない。お互いが遠くの人同士だから、物理的に会うことは出来ないがメールならその距離をひとっ飛びしてしまう。  グループの中の二人に僕は会っている。二人とも悩んでいる症状が「考えすぎ病」だと僕は確信している。二人の症状は「僕がもこみちに似ていると信じている考え過ぎ病」よりは遥かに軽症だ。だから必ず治る。だって、さすがにこの僕だって、最近もこみちに似ていないのではないかと考えられるようになったのだから。