停留所

 いつからそうなったのか分からないが、土曜日は圧倒的に漢方の相談者が多い。皆さんがゆっくりとした時間を持っているのだろう。ゆっくりとした町のゆっくりとした薬局で、ゆっくりとストレスを落としていってくれればありがたい。  不信のバスに乗っていた最近、仕事と人生が乖離していた。胃酸に粘膜は破られ、熱を持った焼けるような息をしていた。自虐の停留所で飛び降りて、錆びついたベンチであてのない次のバスを待っていた。  なんて穏やかな顔をしているのだ、なんてよどみのない声をしているのだ、なんて優しい視線を投げかけてくれるのだ。なんて柔らかい手で抱きしめてくれるのだ。今日お会いしたすべての方に感謝したい。慰められたのは僕のほうだし、癒されたのは僕のほうだ。あけることの出来ないかばんを持って、太陽が沈む前に旅に出よう。