タラント

 偶然昼食時につけたテレビに「チャングムの誓い」の主演女優のイ・ヨンエが出演していた。NHKの番組で、視聴者3000人との集いみたいだった。アナウンサーの質問に答えていたが、受け答えの品に驚いた。決して作ったとは思えない微笑を絶やさずに、真剣に、また機知に富んだ答えを返していた。役作りではふっくら感を出していたそうだが現在はもう少しスリムで、日本の女優でもあの風貌に勝る人は少ないと思う。まして、知的な答えはなかなか追随を許さないだろう。彼女が尊敬する人がチャップリンだとなにかで読んだことがある。それが女優を目指した理由なのだから、現代の俳優、女優の中では珍しく、目的意識を持っていることが想像できる。  タラント(タレントの原語で昔の貨幣、タレント・・才能の原語)は、努力して増やすことは出来るが、持って生まれたものが大きい。折角のタラントを誰の為に生かすかが大切だ。その生かし方を知らない人が増えたような気がするのは僕だけだろうか。タラントを自己のためにのみ使っている人が増えてはいないか。イ・ヨンエが好きなタイプの男性は「正しいことを実行するひと」だそうだ。これではほとんどの日本人男性が失格だ。