先週、ある若い二人連れの女性が少し遠い所から漢方薬を求めに来てくれた。別に珍しい光景ではないが、二人が帰っていった後のすがすがしさは、特別だった。問診をしている時の言葉使い、物腰がとても上品で、洗練されていた。訓練されて身についたものか、本来持ちあわせているものか分からないが、どちらにしてもわざとらしくなく自然な態度がとても心地よかった。その中の一人が今日新しい人を連れてきてくれた。驚くことに、今日来た若い女性も、先週の二人に負けない自然な礼儀作法を身につけていた。おそらく3人に共通するのは同じ職場くらいなものと思うのだが、何故こんなに人当たりのよい若い女性が鎖のようにつながったのか分からない。類が友を呼んだのか、会社の選別が効を奏したのか分からないが、こんな小さな薬局の中で、この国の小さな希望を感じることが出来た。  断末魔のような内容のニュースばかりが、耳にはいってくる昨今、こんなすがすがしい経験こそが、1日の慰めなのだ。