医療機関の倒産は64件、過去最多を更新
業態別では「病院」が6件、「診療所」が31件、「歯科医院」が27件。64件の倒産主因を分析すると、「収入の減少(販売不振)」が41件と全体の64.1%を占めた。コロナ禍では、感染回避のため通院を控える(コロナ以外の)受診者やワクチン接種を機に施設・設備機器やサービス面を考慮して、かかりつけ医を見直す受診者が増えたことで、収入が減少したり受診者が戻らない施設が増加したとみられる。また、コロナ関連補助金の削減、資材価格高騰に伴う材料費(医薬品や検査キットなど)や設備機器費の増大、人材確保・維持のための賃上げや、コロナ関連融資の返済開始などの負担も増し、収入減少と支出増加が同時に進行したことで、資金繰りに窮し事業継続を断念する事業者が増加した。
なんだか、外食産業の倒産報告を見ているようだ。原材料費の値上がり。スタッフ不足、コロナ融資の返済不能、業界を問わないものだ。
医療機関の倒産件数の中に薬局が入っていないと言うことは、まだ薬局は医療機関とは認められていないのか。統計的には昔ながらの商店扱いなのだろうか。
この報告書の後半には、医師の高齢化による廃業も多いと書かれていた。確かに数10年前に医師会の会合を覗いたことがあるが、僕より年上の人ばかりだった。同じように歳を重ねてきているのだから、今や80代から90代の方ばかりだろう。現役でどのくらいの方が残っているか分からないが、後継者が全ての医院にいるとは限らない。優秀な後継者なら田舎を捨てて都会で活躍するだろうし、もともと後継者がいないところも多いだろう。
優秀なお子さんの憧れの職業でも、いざ職に就いたら、他の仕事と心意気や満足度は変わらないのではないか。むしろ幼い時からの努力分に見合うだけの心の報酬は得られないのではないか。経済だけでは今やIT企業の成功者の方が格段にまさる。献身と言う違う尺度を持たなかったら、空虚さと同居することもあり得るのではないか。それが時に薬(ヤク)とか犯罪に走らせる。
団塊の世代を勝ち抜いてきた優秀な人たちが去り、人より機械と接している時間が長い新優秀な人たちに変わる。献身は電子機器の中では育たない。36.5度の中でしか育たない。